海外の屋根と日本の屋根の違い ①茅葺屋根 断熱性・保温性・雨仕舞・通気性・吸音性 最大の弱点は火事に弱い
2020年6月5日更新
今日は茅葺(かやぶき)屋根のことについてお話します。
日本の茅葺屋根で頭に浮かんでくるのは下の写真みたいな屋根ではないでしょうか?
茅葺屋根のかたちには寄棟造り、切妻造り、入母屋造りの3つがあります。ちょっと変わった形にかぶと屋根というのもあります。
そもそも茅(かや)とは?
茅とは屋根を葺く草の総称のことで、茅という植物はありません。
茅の材料には、すすきの他に葦(ヨシ)、かりやす、かるかや、しまがや、ちがや等のイネ科の多年草が使われます。
茅葺きのはたらき
茅葺きの家に入ってみるとその静けさにまず驚かされます。
茅葺きのすぐれた断熱性は今さら語るまでもありませんが、それが通気性も兼ね備えている点を忘れてはなりません。
現代のあらゆる建築材料と技術をもってしても茅葺きの持つ断熱性・保温性・雨仕舞・通気性・吸音性を
兼ね備えた屋根をつくりあげることは並大抵ではありません。
一方で、最大の弱点は火事に弱いことで、延焼に対してはなすすべもなく大火になりやすいという点です。
海外にもかやぶき屋根はあります。
これはヨーロッパのかやぶき屋根。日本のかやぶき屋根とはまた違う趣を感じますね。
オランダのかやぶき屋根なんかも有名ですよね。
下の記事は去年の新聞の一部なんですが少しみていきましょう。
〇2019/05/19 朝日新聞 朝刊名古屋 全文 〇
かやぶき文化について考える「国際茅葺(かやぶ)き会議」が18日、世界遺産の合掌造り集落がある岐阜県白川村の白川郷で始まった。22日までの期間中、日本を含め7カ国のかやぶき職人ら約400人が交流し、現状や課題について語り合う。
6回目となる今回は、初めて日本で開催された。海外からは、かやぶき文化がある英国、ドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、南アフリカの6カ国の職人ら約130人が参加し、現状を報告した。
会議では、費用の高さや材料確保の難しさによるかやぶき建物の減少、修繕などを担う若手人材の確保の難しさなど、各国共通の課題を共有した。
環境への配慮から、近代建築にかやぶき屋根が用いられるなど評価が高まっているとの報告もあり、各国の職人らが伝統技術の継承や発展について意見を交わした。
地元白川村からは、地域で協力しあう相互扶助の仕組み「結(ゆい)」について中学生らが報告。「結」が、かやぶき屋根の維持を担ってきたことなどを説明した。
19日以降は、村内の合掌造り集落で、かやぶきの実演があるほか、京都府や兵庫県でもワークショップや見学会が予定されている。
上に記事にも書いてあるように、かやぶき文化をひろめる動きもあるみたいです。
同じ名前の瓦や屋根でも海外と日本で全然見た目が変わるのってなんだか面白いです。
これからも、日本と海外の屋根の違いについてお話していくので、少しでも興味がありましたら
また覗いてみてください。
それでは今日はこの辺りで失礼します。
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